耳、鼻、のどの異物
耳や鼻、のどに異物が入ってしまったり、刺さってしまうことがあります。基本的には自分で取ろうとしますと、さらに奥へ押し込んでしまう事が多いので、耳鼻咽喉科に受診していただいたくことをお勧めします。ただ、それぞれに注意点がありますので少しお話したいと思います。
耳の穴の異物で意外に多いのが、自分で綿棒や耳掻き棒を使い耳そうじをしていて、耳あかや髪の毛などを奥へ押し込んでしまう事です。耳の詰まった感じや「ガサガサ」とした音が苦になり受診されます。耳そうじはお風呂の後などに、入り口の水分を吸い取るだけにしておくのが無難です。鼻の異物は、やはり幼児に多いのですが、入れるところを見ていなければ気が付かないでいることもあります。ただ、入れたものがティッシュ、スポンジのようなものですと鼻汁を吸って感染を起こし、入れたほうの片側の鼻の穴だけから、濁った鼻汁が出続けていることがあります。
のどの異物はほとんどが魚の骨です。ご飯を丸飲みすると良いなどと言われていますが、一度刺さったものはなかなか抜けることはなく、時間も経ちますとかえって奥へ埋没し見つけにくくなる可能性がありますので、なるべく早期の受診が良いでしょう。異物を飲み込んでしまう場合、食道に入ったものは小さいものは便中に排泄されますが、大きいものは食道異物となります。
幼児で時々見られるのは硬貨です。飲み込みが悪くなる事もありますが、気づかれない事もあります。乳児ぐらいで特に怖い異物にボタン電池があります。これは食道に引っ掛かったままになりますと、微弱電流により食道に穴があいてしまい重症になる事があります。気管に異物が入った場合は、強い咳の発作がみられます。その後、呼吸音が異常になったり、顔色が悪くなったりしたら窒息の危険性もありますので、迷わず救急で受診することが必要です。
乳幼児で比較的多い気管異物は、ピーナッツや枝豆などの豆類です。かけらになって、吸い込みやすくなるからです。食物を口にいれたまま歩き回ったりしていて、転んで泣いた場合に発生することが多いので、行儀をしつける意味でも徹底して防止してください。