突発性難聴=文字通り、急に耳が聞こえなくなってしまう病気です。急に耳が詰まった感じが生じ、痛みなどはありません。原因不明のことも多いのですが、疲労やストレスが内耳の血流障害を起こすためとも考えられています。治療をしても難聴が残る場合がありますので、早期に診察を受けてほしい病気です。重症の場合は入院治療が必要なこともあります。
咽喉頭神経症=食事するにはまったく問題がないのに、のどに詰まった感じが長い間あり、何回診察を受けても原因となるような異常はないものです。心身の疲労、ストレス、がんへの恐怖心がその人を弱気にさせ、不安が生じているものです。
重症な咽頭炎(のどかぜ)=最初は、軽いのどの痛みだったのが、段々ひどくなり水も飲めなくなってしまい、入院しなくてはならない程になる事があります。さらに炎症の場所が気管の入り口で強く起こると呼吸困難になり生命に関わる場合もあります。疲労やストレスが続くことで抵抗力(免疫力)が低下することが悪化する原因の一つと考えられています。市販の風邪薬を使っても悪化する傾向があれば我慢せずに早めに受診してください。
メニエール病=めまいを繰り返す病気です。耳には平衡感覚を保つための機能もありますが、この機能が疲労やストレスによる循環不全で障害されると考えられています。典型的な症状は、強い回転性のめまいに難聴、耳鳴り、吐き気を伴いますが、伴わないものもあり、耳の病気と分かりにくいこともあります。生命に関わるものではありませんが、繰り返し起こり治療が困難なこともあります。
いずれの疾患の治療は薬を使うことが主ですが、その効果は疲労に対する対策として睡眠を多くとるなどを実行できるかどうかで大きく左右されます。患者さんの多くはいつも過労やストレスの状態でいる、いわゆる企業戦士や子育て中の主婦の方などです。これらの病気にかつためには医師や薬の力だけで治るものではありません。皆さんが自分を管理して予防、治療していくものであることを理解してほしいと思います。